「僕も必ず一緒に病院に行くようにしていたけれど、不妊治療が女性にこれだけの負担をかけることを初めて知った。」(登坂さん)

はじめは楽観的に考えていた

 19年3月に結婚した時から、子どもを授かりたいという話は二人でしていたね。私は当時38歳で、40歳までに妊娠したいなと思っていた。婦人科検診という名目で知り合いのドクターがいるレディースクリニックを受診し、「子どもを授かりたいです」と言ったら、先生が「ご主人を連れてきてください」と。

 初めて一緒に受診した時は、かなり戸惑ったなぁ。緊張のあまり挙動不審になったというか(笑)、グレイヘアが目立つから待合室でも帽子をかぶったままで。ちょっと自意識過剰になっていたかも。

その日は、30ページ以上の資料を渡され、不妊治療の基本からじっくり看護師さんの説明を受けて。看護師さんが、一つの説明を終えるたびに必ず僕に視線を向けるので、ソワソワしてしまったのだけど、「一番大切なのは夫婦で取り込むこと」と言われて、だから僕がしっかり理解しているかを確認しながら話してくださっているのだと腑に落ちた。

 初診時に2人で受けた検査では、どちらも特に問題はない、という結果だったね。

 年齢より若い状態だとも言われたので、それならきっと早い段階で妊娠するんだろうと、ちょっと楽観的に考えてしまった。

 次に、妊娠の妨げになるものがないかを調べる女性だけの検査で、エコー、MRIを受けました。子宮卵管造影検査と子宮鏡検査は痛かった。検査の結果、卵巣内にチョコレート嚢胞が見つかり、本格的に不妊治療を始めるにしてもまずその治療をしてから、ということに。もっと若いうちから婦人科検診を受けておけばよかったと後悔しました。

 僕も必ず一緒に病院に行くようにしていたけれど、不妊治療が女性にこれだけの負担をかけることを初めて知った。

 チョコレート嚢胞は日帰り手術で処置したけど、先生からは、手術で完治はしない、妊娠すれば治癒に向かうという説明を受けた。その後は、葉酸のサプリや漢方薬などを飲んで、妊娠しやすい体づくりをしながら治療を続けて。

 排卵日に合わせて自然妊娠を目指す「タイミング療法」についても先生からレクチャーを受けた。「何月何日は妊娠確率何%」という具体的な説明が、頭では理解できても、ちょっとプレッシャーで……。

 二人の年齢のこともあるし、次の段階の治療に進もうと、二人で決めたんだよね。