「圭くんはきっと（夫婦の）衝突を回避する必殺技をいっぱい持っているんでしょうね。」（中谷さん）／「基本的に、悪いのは僕なので、すぐに謝ります。」（田中さん）
すべての写真を見る

田中　凛子さんと日和は、世間からはちょっと不釣り合いなカップルに見えるかもしれないけれど、たぶん日和にしか見えない凛子の一面があるし、凛子にしか見えない日和の一面もある。映画を観た方も、「ちゃんと支え合っている」と納得してくれると思っています。

中谷　今作の原作である原田マハさんの小説に、凛子は日和がいたからこそ総理大臣になれたと気づくシーンがあって、それは意識して演じました。夫婦で片方が活躍しすぎるともう片方は卑屈になったり、競争意識を持ったりしがちですが、日和はまったく違いますから。

田中　無類の鳥好きが高じて鳥類研究所で働いている日和は、凛子さんにも自分のしたいことをしてほしいと願っているんだと思う。

中谷　働く女性にとっては、とりわけ居心地のいい相手ですね。圭くん、もし同じ立場になったら、日和さんみたいな夫でいられそうですか？

田中　無理だと思います（笑）。僕はなかなか日和みたいにはなれません。

 

暴走しそうな時はブレーキを

中谷　夫婦のどちらかが何かしら我慢を強いられる状況は、仕事のあるなしにかかわらず起こりうる問題ですよね。凛子だって、自分が総理大臣になったことで日和の日常が激変してしまったことに、申し訳なさを感じています。

田中　わが家の場合は奥さんが主婦で、僕は家事をまったくしないので、家のことには一切口を出しません。彼女も僕の仕事に関しては何も言わない。ただ、娘2人のことに関しては、相談されたらきちんと向き合います。奥さんからは時々、「私たち2人の子どもなんだからね」と、チクッと言われることも。（笑）

中谷　圭くんはきっと衝突を回避する必殺技をいっぱい持っているんでしょうね。

田中　そもそもケンカしたことがなく。怒られることは、時々ありますが。基本的に、悪いのは僕なので、すぐに謝ります。