「感情を書き出すワーク」とは
怒りの感情がわいたとき、その感情に任せて壁にものをぶつけたりするのは、実は逆効果です。怒りを表現したその行為を見ることにより、「怒り」の感情がさらに刺激されて増幅されることもあると、心理学的には言われているのです。
こんなときはものに当たるのではなく、「**が嫌だった」と、書き出すようにしてみてください。
言葉にして書き出すと、潜在意識の中にある感情が視覚化され、意識できるものになります。こうすることで、自分の感情を客観視できるようになるのです。
さらに、潜在意識の中にあったものが見える形になる(顕在化する)ので、上書き保存がしやすくなるというメリットもあります。パソコンで書いた文書を読み直して、書き換えて保存することができるように、意識も上書き保存ができるのです。こうすることで、頭の中で同じ考えが堂々巡りする「ぐるぐるの森で迷子」の状態から、抜け出すことができるようになります。
これを行うのが「感情を書き出すワーク」です。つまり、感情を紙に書いて吐き出すと、抑圧された感情の風船に溜まったガスを、安全に抜くことができます。言ってみれば、風船の口に細い管を挿し入れて、シュルシュルとガスを抜くようなものです。
これで「いっぱいいっぱい」だったメモリを解放でき、容量に自然と余裕が生まれ、フリーズしていたパソコンが動くようになります。自分の感情を紙に書き出して客観視することで、別の視点や見方をする余裕ができるのです。
数か月かかりましたが、こうしたケアにより、Cさんも少しずつお腹を壊すということがなくなり、電車に乗ってまったく問題なく会社に行くことができるようになりました。今では二児のお父さん。仕事も家庭も大事にしながら頑張っておられます。