「いっぱいいっぱい」が積み重なると、知らない間に心身に負担が(写真提供:写真AC)
仕事でもプライベートでも、自分の処理能力を超えれば「いっぱいいっぱい」な状態になります。カウンセリングとコーチングを融合したセミナーやセッションを開催し、講師やセラピストとして20年以上、人の心に寄り添ってきた濱田恭子さんによれば、その状態を見逃したり、気づかなかったりすることでいつの間にか心身に負担が生まれかねないとのこと。健康や心を守る上では、適応の「限界」を知ることが大事と言いますが――。

キマジメさんほど「フリーズ」しやすい

人間の意識には「潜在意識」と「顕在意識」があります。そして、潜在意識の中には、いろんな情報が圧縮ファイルのようになって保存されています。

パソコンは空き容量を使い切ってしまうとどうしてもパフォーマンスが落ちて、処理が遅くなります。画面がフリーズして動かなくなったり、データの保存ができなくなったりすることがあります。

これと同じことが人間の中でも起きるのです。

特に人一倍責任感の強いキマジメさんほど、たくさんのことを一人で抱え込んでしまうことがあります。そしてたくさんのソフトを立ち上げたまま、どんどん「重いパソコン状態」になって、さらにフリーズする……という悪循環に陥ってしまうのです。

使ってないアプリをたくさん立ち上げたままのスマホみたいな状態とも言え、これでは無駄に電力を消化してしまいます。これは特別な人、弱い人に起きることではありません。誰にでも起こりうる、ごく当たり前のことだということを、まず知っていただきたいのです。

以下に、自身のフリーズをきっかけに体調を崩したお二人の事例をご紹介したいと思います。