会社に行こうとするとお腹が痛くなるCさん(40代)
Cさんは朝会社に行こうとすると胃のあたりがキューっと痛くなって、お腹の調子が悪くなっていました。この症状がどんどんひどくなってしまい、ある朝からは電車に乗ると、お腹に差し込むような痛みが走るようになったのです。一駅ごとに電車を降りてトイレに行くありさまで、各駅停車にしか乗れなくなってしまいました。
就職して10年。そろそろ会社では中堅になり、部下を持つ立場になりました。しかし、部下に仕事を振ると、いつも「抜け」や「ミス」があります。最後にチェックしなければならず、自分でやるよりも手間がかかってしまいます。
上司に相談しても「それぐらい俺もやっていたよ」と言われ、キマジメな彼はそれ以上、何も言えなくなってしまいました。
会社では定時退社が推奨されるようになり、遅くまで残業できなくなっていました。「増えた仕事をどうやって時間までに終わらせるか?」でいつも頭がいっぱいです。もともと納期のある仕事でプレッシャーがあり、部下の仕事の管理まで重なって、より大変になってしまいました。
帰宅してからも仕事のことが頭から離れません。ご飯を食べながらずっと仕事の段取りを考えているような状態です。仕事のことが気になって熟睡できず、夜中に何度も目が覚めてしまうとおっしゃっていました。
実は、Cさんのお腹の調子が悪くなったのは、結婚して子どもができたということがわかってすぐのタイミングでした。もちろん本人も大喜びでした。
しかしこれはパソコンでいうと、処理しなければならない新しいファイルが増えたのと同じことになります。
もともと仕事の管理や段取りで頭がいっぱいなうえに、うれしいことではありますが、容量をもっと必要とする案件が増えてしまったわけです。だから本人はうれしいにもかかわらず、急にフリーズ、つまりパソコンが固まるようなことが起きてしまったのです。
Cさんには、まずこの仕組みをしっかりとお話しし、少しずつ感情を解放するべく、「感情を書き出すワーク」という方法などを実際にやってもらうことにしました。