「お医者さんに「治療法はありません。今は薬も酸素吸入も必要ないです」って言われて、それなら自分の好きにやって心をすこやかに保てばいいのね、って思ったらフッと楽になった」(枝元さん)

「ヤバい病気」に身構えた

伊藤 コロナ禍でねこちゃん家に泊まりに来る頻度はぐっと減った。からだが動く間は、歳をとってもこんな感じで行き来するんだろうなと思ってたんだけど。

枝元 2月に、わたしの病気が発覚したのね。間質性肺炎だってお医者さんに聞いて、ひろみちゃんに急いで電話したの。

伊藤 「ヤバい病気だった」って言うから身構えた。病名を聞いて、こりゃヤバいぞ、って。実はほんとうにショックだった。ねこちゃんもそうじゃなかった?

枝元 すーっごく驚いた! 父親と弟がその病気で亡くなってるから。母親も最後は肺だったし。肺かぁ、いよいよ来たなって。

伊藤 それからしばらく、毎日ネットで調べた。でもどんなに調べても、怖いことがいっぱい書いてある。親に電話してたみたいに、ねこちゃんに毎日電話してた。

枝元 わたしも、検査結果の説明を聞いてから何日後かに、自分は死ぬのかなーなんて、病気やこれからのことを考えるうちに、あーもうダメかもって、胸がすごぉく苦しくなって。人生初の救急搬送されました。

伊藤 ただの過呼吸だったよね。

枝元 お医者さんに「治療法はありません。今は薬も酸素吸入も必要ないです」って言われて、それなら自分の好きにやって心をすこやかに保てばいいのね、って思ったらフッと楽になった。