2021年11月24日号
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[特集]
〈めげない、折れない〉
しなやかに生きる

老いも衰えも感じるけれど、人生100年と考えれば未来もある。ならばその時間を、めいっぱい自分らしく生きたい。経験と打たれ強さを携えて、人生後半を前向きに過ごせたら、これほど豊かなことはないでしょう。年齢にかかわらず輝きを放つ人の生き方に、そのヒントがあります。ひとつでも多くの言葉が、心の道しるべになりますように

●注目記事●

〈夫婦の別居、叩き割ったトロフィー〉
面白い人生ゲームを作るため
苦労はいつも買って出た

上沼恵美子

仕事も人生も一段落の時期かと思いきや、長年「ネタ」であった夫との別居、ライフワークとして取り組んできた長寿番組の突然の終了と、コロナ下で大きな変化を経験することに。今、その心中に去来する思いとは──

人生100年と言われる時代になりました。人生が長くなり、ハッピーハッピーと皆さんおっしゃるけど、逆に生きるのがものすごく難しい時代になったと思います。生きるとは修業であり、勉強であり、苦しみであり……。もちろん楽しみもありますけど、楽しむにも体力や気力が必要なんですよ。年齢とともに、体力も気力もやる気もなくなる。それも当たり前なんです。だから「100歳までいきいきと」なんて無理。どこかであきらめる。私、集中力はあまりないんですけど、今、「あきらめる」集中力が必要やなと思っています。

私も年が明けたら67歳という年齢になり、今までできていたことができなくなってきました。血糖値が高い、血圧も高い。だから甘いものを食べてはいけない。抑え込まれることが多くて、楽しみは減る一方。

でもよく考えたら、ある程度のことは経験してきたわけです。私の場合は旅行好きな夫につきあって、海外は行き倒しました。エッフェル塔は3回も4回も見たんですよ。初めて見たのは19歳の時、海外旅行も初めてでした。「うわあ」と鳥肌立ちましたね。もうあんな感受性はありません。感受性がなくなると、人生の楽しみの80%がなくなったような気がします。今やエッフェル塔も通天閣も変わりません。クリスマスにウキウキしたり、年末年始が楽しみというのも、子どもの頃や恋人時代の一瞬だけですよね。

私は結婚が22歳と早く、そこから女の人生が始まりました。23歳で母になり、姑や小姑がいて、いろいろあって、仕事をまた始めて、ほかのタレントさんにいびられたこともありました。

荒波だらけの人生を生きてきて、気がついたらこの歳になっていて。「うそ!」と思いますもん。(一部抜粋)

他にも、加賀まりこさんのインタビュー「〈私が自由でいられる理由〉感性だけを信じて、選んで」、角野栄子さんのインタビュー「『魔女の宅急便』作者の"好き"を続ける秘訣」、杉浦佳子さんや、研ナオコさんのインタビュー、「精神科医が教える目薬・日薬・口薬」など。
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[読みもの]

〈本誌独占 元妻と娘が語る〉
追悼・ジェリー藤尾さん
別れた家族がひとつになった最後の日々

渡辺友子×板谷亜紀

歌手のジェリー藤尾さんが、8月、肺炎のため81年の生涯を閉じました。同居し晩年を支えたのは次女の板谷亜紀さん。離婚後は別々の人生を歩いていた元妻の渡辺友子さんもジェリーさんと和解し、最後の日々に寄り添ったそうです。そのいきさつは──

亜紀 パパが亡くなって3ヵ月。今でも、あの日のことを思い出すと涙があふれてきます。

友子 土砂降りの夜だったわね。

亜紀 パパはいつも、用事があるとLINEで私たち家族を呼んでいたのですが、その夜はそれがなくて。おかしいなと思って様子を見に行ったんです。そうしたら、リモコンを持った手がだらんとしていて……。

友子 すぐに病院の先生と私に知らせてくれたわね。

亜紀 亡くなったことを受け入れるのは、つらかった。私が触れたパパの体は、まだ温かかったから。

友子 私も電話をもらってすぐ、駆け付けました。5日前に会った時はいつもと変わらない様子で、元気だったのに……。

亜紀 前の日も普通に話をしていたから、こんなにあっけなく逝っちゃうとは思わなかった。

友子 でも、最後は娘や孫、ひ孫と暮らすことができて、幸せだったと思う。眠っているとしか思えない、穏やかな表情だったもの。(一部抜粋)

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〈清水ミチコの三人寄れば無礼講〉
ゲスト さだまさし & 笑福亭鶴瓶

20代から友情をはぐくんできた話芸のプロ、さだまさしさんと笑福亭鶴瓶さんをお招きして。鼎談前の控室で「もう、2人でしゃべりすぎてしまった」というゲストたち。清水ミチコさんが「じゃあ、すでにお疲れですね」と水を向けた途端、立て板に水とばかりにおしゃべりがはじまって―ー

清水 2人のつきあいは、もう45年なんですって? そのへんの夫婦よりも長いじゃないですか。

さだ あと5年で、金婚式だね。

鶴瓶 きっかけは、俺がさださんにメッセージを送ったの。当時、俺は『ミッドナイト東海』っていう名古屋のローカルラジオ番組のパーソナリティをしてて。

清水 深夜のね。私、聴いてた!

鶴瓶 そやそや、ミッちゃん、岐阜の田舎の出やからな。(笑)

清水 胸を張ってますけど、なにか?(笑)

鶴瓶 あるとき、俺のいてる名古屋のホテルに、ツアー中のさださんが泊まってはるって聞いて。それで、言うたらファンレター的なものをね、書いて預けたんです。そしたら夜中の2時ごろ、突然番組に飛び込んできたんですよ。

さだ ホテルに帰ってメッセージを見ましてね。「この人、なにする人?」って聞いたら、落語家さんで、『ミッドナイト東海』でDJやってるって言う。3時までの番組だから、そのままスタジオへ行ったの。東海ラジオとは親しかったし、昔はセキュリティも緩いからね。すぐ入れちゃう。

清水 さださん、優しいですね。そのころの鶴瓶さんは、まだ売れていたわけじゃないでしょう。

さだ メッセージに感激しましたから。(一部抜粋)

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[グラビア]

誰かの幸せを願って生きたい
林遣都

ひたむきに野球に打ち込む少年役を演じたデビュー作で注目を集め、俳優の道を歩み始めた林遣都さん。30歳を迎えた今年、ファンタジックなラブストーリーで新たな表情を見せる─

20代前半の頃、旅番組の撮影で南米を訪れた際に、世界中を旅している写真家に出会いました。その方が言っていたんです。「他人を悪く言っていいことなんてひとつもない。誰かの幸せを願って生きていたほうが絶対にいいことが起こるよ」と。その言葉がものすごく胸に響いて、人生観が大きく変わりました。それ以来、たとえ嫌なことがあっても誰かのせいにしないこと、つらい時もネガティブな気持ちをいったん切り離して、周囲の人の幸せを思うことを心がけるようになりました。

さまざまな人の人生を疑似体験して、「お芝居という偽物」を本物らしく見せるのが僕らの仕事です。ただ、偽物とはいえ自分の内側にある感情が豊かでないと、役の気持ちに寄り添うことはできません。日頃から一人の人間としての生活を大切にして、身の回りの出来事からいろいろ感じ、過ごすことが、良い芝居を生むために必要なのではないかと思っています。(一部抜粋)


他にも、

〈青春の誤解から役者になって〉
人間ってのは、 しょせん愚かなものなんです
柄本明

〈デビュー後初の有観客コンサートレポート〉 
激しく!可愛く! ファンとひとつに
Snow Man

〈多様な存在を認める社会へ〉
コロナ禍が浮き彫りにした入管と生活保護の問題点
小林美穂子×中島京子

〈ルポ 駆け込み寺に集まる人々の思いは〉
苦境に立つベトナム人実習生たち
樋田敦子

〈宝塚 すみれ色の未来へ〉
星組
宝塚剣豪秘録 『柳生忍法帖』
ロマンチック・レビュー 『モアー・ダンディズム!』
礼真琴・舞空瞳

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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