あんた、「鶴瓶」継いでくれるか?

さだ そういえば、鶴瓶って名前は師匠がつけてくれたの?

鶴瓶 おやっさん、落語家系図を渡しながら「二代目や」言うて。

さだ 二代目なんだ、鶴瓶の。

鶴瓶 「初代は破門されて林家に行き、染八と名乗り、アルコール中毒で死んだ。そんな名前や」「なんで二代目俺なん?」って。(笑)

さだ 鶴瓶ちゃん、「松鶴」は継がないの? いずれ誰かがきちんと継がないといけないものでしょう。

清水 松鶴って名前、意外と似合う気がする。

さだ それに鶴瓶ちゃんが継いでくれたら、「松鶴」って呼び捨てにできるじゃん。「なにしてるねん、松鶴」「アホか、松鶴」。(笑)

鶴瓶 ほんならあんた、「鶴瓶」継いでくれるか?

さだ 僕が? 僕があんたの弟子? 別に僕、さだまさしのままでええやん(笑)。でもさ、名前が変わると、人も落語も変わると思うよ。鶴瓶ちゃんの最近のしゃべりは、もう松鶴だけどね。自分でも似てると思うでしょう。

鶴瓶 写真見て、おやっさんと同じ手の仕草をしてるとは思った。弟子はみんなそういうもんやな。

さだ (立川)談志さんの落語もさ、テンポ落として回したら、(柳家)小さんだったもん。談志さんの弟子も、みんな師匠にそっくり。

鶴瓶 しゃべり方のポイントが、よう似てるよね。

さだ やっぱり師弟関係ってすごい。芸を継いでいく凄み。僕らは継ぐ芸ではないから憧れるし、本当に素晴らしいと思います。

清水 お2人の話芸に、今日は感服しました。3人で撮った家族みたいな写真も、介護のポスターみたいで笑いました!


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