「私にも『もったいなかった』と悔やんでいる出来事が2つだけあります。」(写真提供:講談社)
梅沢富美男劇団の座長で、多数のレギュラー番組を持つタレントの梅沢富美男さん。70歳を過ぎた今だからこそ「過去は振り返らず、先だけを考える」と決めているそうです。しかしその梅沢さん、高倉健さんと美空ひばりさんとの共演を断ったことだけは悔いが残っているそうで――。

特技は「忘れること」

一番の特技はなにか。そう聞かれたら、私は迷わず「忘れること」と答えます。

もちろん、人から裏切られたり、傷つけられたりすると、多少なりとも気分が落ち込み、ボーッとすることがあります。ところが、少し時間がたつと記憶から綺麗に消え去り、以後、取り立てて思い出すこともありません。

それは、「いいこと」に関しても同じです。お芝居や歌を表彰していただいたこともありますが、トロフィーや賞状はすべて捨ててしまいました。

良きにつけ悪しきにつけ、過去を振り返っても、いいことなんてひとつもない。70を過ぎ、残された時間も短くなってきたいまはなおさら、先のことを考えようと思っています。

なーんて、カッコつけてはみたものの、私にも「もったいなかった」と悔やんでいる出来事が、2つだけあります。

それは、さる2人の大物との共演の機会を断ってしまったこと。高倉健さん、そして美空ひばりさんです。