頑張って《歩く》ということ
吉行 転ぶときって、階段とかじゃなくて、平らなところのほうが多いのよね。
冨士 階段はむしろ気をつけようと用心するからかしら。それに階段の昇り降りは、私にとって大事なリハビリ運動。昼間は2階の居間にいて、新聞をとりに1階へ降りたり、寝室のある3階へ上がったり。階段の途中には大好きな大谷翔平の写真を飾って、「これからお風呂へ入るのよ」「今日の試合、頑張ってたわね」って話しかけるのが楽しみなの。
吉行 私のリハビリは、とにかく外を歩くことだわ。
冨士 偉いわよね。「これから新宿のデパートを歩いてくる」なんて言うから、びっくりしちゃう。
吉行 デパートは空調が効いているし、「どんな物が売られているのかしら」って眺めながら歩いていると、楽しくて1時間くらいあっという間よ。
冨士 私にはとてもできないわ。
吉行 スマホの歩数計の機能がけっこう励みになるのよ。ちょっと歩数が少ないと「昨日より歩けていません」と言ってくるから、「知ってますよ!」ってカチンときたりして。毎日がスマホとの戦いね(笑)。次の日は頑張って7000~8000歩になると、「今年の平均歩数を超えました」なんて褒められて、よしよしとなったり。
冨士 あなたは機械が使いこなせるから、感心しちゃう。私なんて、電話かけるのが精いっぱい。