2010年よりメインキャスターを担当している日本テレビ系「news every.」を通じ、正確なアナウンスと血の通ったメッセージを発信し続けている藤井貴彦アナウンサー。特に、視聴者を思いやる「言葉」が評価されていますが、その裏には入社以来27年間続けてきた日記の習慣があるそうです。藤井さんによると、「日記が緊張もイライラもすべて吸い取ってくれる」そうで――。
時間をかけて書くことの効能
「アンガーマネジメント」という言葉をよく聞きます。瞬時にわいた強い「怒り」などの感情をコントロールすることを指しますが、今や社会人のたしなみとなったのでしょうか。
アンガーマネジメントとしては、数秒間待つことで、強い感情が整理される効果が有名ですが、字を「書く」ことにもその効果があるように思います。
いざ日記を書こうとペンを持った時はイライラしていても、文字を書くという行為自体には時間がかかります。
画数の多い文字ほど時間が必要です。ペンを走らせるわずかの時間が、時に感情をなだめることにもつながります。
私の場合は、書くまでのタイムラグがアンガーマネジメントにつながっています。
また、心に引っかかっていたイライラも、書き入れるスペースを「汚したくない」という思いから、スーッと収まっていくことがあります。