役に取り組む姿勢

退団してから、早稲田大学の「舞台芸術入門」という授業の
ゲスト講師に呼んでいただいたことがありました。

そのときの生徒さんの質問に、
「際どいラブシーンや禁断の恋など『清く正しく美しく』の教えに反さないのですか?」
「そういうシーンは、どういった心持ちで演じているのですか?」
という質問をされたことがありました。

その授業での質問は、今までされたことがないような質問ばかりで
視点がおもしろかったのを覚えています。

私はその質問にとっさに何と答えたのか。
その答えは全く忘れていましたが、
そのとき授業をされていた中本千晶さんの著書に
そのときのことが書いてありました。

舞台では、あくまでその場面で求められることをするのが自分たちの役割であり、
それが禁断の恋であれば、イケナイ恋心を抱いた役柄をひたすら掘り下げ
演じ方を研究する。
その目指すところは、どうすれば「タカラヅカらしさ」を逸脱することなく、
なおかつ説得力を持たせられるかである。

3割増しに上手に書いていただいた気がしますが、
どんな役でも取り組む姿勢は変わりません。