マツコさんとまだ実際にお会いしていない理由

マツコさんもまた、ジャガーを夢の存在のままでいいと考えている一人なのだと思う。

というのも、たびたび番組に呼んでいただいているにもかかわらず、実はまだ一度も実際にお会いしたことがないからだ。楽屋がたったひとつ向こうであっても、軽く挨拶すらしたことがない。

「ちゃんとした企画でないと、ジャガーさんにお目にかかることはできないと言っているんです。そうじゃないと千葉の英雄に失礼だからと……」

番組のスタッフの方からそう聞いた。マツコさんはあくまでも、かつて高校時代に観た「HELLO JAGUAR」の中のジャガーであってほしいと望んでいるのだろう。スターにはスターであってほしいのだ。

それを汲み取ったジャガーは、実はマツコさんのために曲を作って用意していたけど、それを披露することをやめた。お互い千葉テレビを介してつながっていたあの頃のままでいることにしよう。

――――――

HELLO JAGUARで〜す! みんな元気か〜い!?

HELLO JAGUARです みんな元気かい

今日はみんなと JAGUARのロックショー

怪しい夜の暗闇が来た 今日はJAGUARの空想世界

ゆらゆら揺れる夢の中 JAGUARとみんなのランデブー

ぼたんの花はナイスカラー すみれ色した別世界

奇跡のような巡り合い 優しいJAGUARのプレゼント

バラの花に囲まれて JAGUARの夜はワンダフル

『HELLO JAGUAR』より

――――――

※本稿は、『ジャガー自伝』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。


『ジャガー自伝 みんな元気かぁ~~い?』(著:ジャガー/イースト・プレス)

何よりも千葉を愛し、誰よりも千葉に愛された男の一生。なんでも自分で作ってみる。やってみればできないことなどなにもない。大丈夫だよ、といつも歌っていた。「洋服直し村上」のおばちゃんたちを従え、衣装もスタジオも住居も自ら作り、音楽も録音もライブもCD制作もPVもTV番組も、すべてDIYでやっていた男の人生は千葉の戦後史そのものだ!