私は自分で苦労を買って出たのかも

渦中にいる時にはわからないんですよね。今は「私が世界で一番不幸だわ」と思ってる人も多いでしょう。私もそうでしたからよくわかるんです。そう思う人は、がんばってる人。なつかしくなる時間が必ず来ます。今の私があの頃の私の元へ行けたら、頭を撫でてやりますね。「よしよし、がんばれよー」と。

特に今はコロナもあって、問題はさらに増え、複雑になっているかもしれません。世界がゴロッと変わろうとしている時に、自分の感情をどこへ持っていったらいいのか。四面楚歌もいいところでしょう。でも思うようにいかないことが、きっと自分を磨いてくれると思ってほしい。きれいごとのように聞こえるかもしれないけど、実際にやってきた私が自信をもって言います。最高に豪華な海外旅行へ行くよりも、ずっと充実した時間を生きているんですよ。

「自分だけの面白い〈人生ゲーム〉を作るために、苦労を買って出たのかも」

下の息子が生意気なことを言うんです。「おやじの言う通りの人生だったらつまらんかったやろ? 今、『上沼恵美子』という毎日を過ごせてるんやから、よかったよかった。ちょっとおっちょこちょいでぺらぺらなおやじでよかった」って。失礼な。(笑)

でもひょっとしたら、私は自分で苦労を買って出たのかもしれません。自分だけの面白い「人生ゲーム」を作るために。こうして振り返れるのは、この年齢になったからこその特典じゃないでしょうか。これからは人生のフィナーレを、ファンの皆さんと一緒に飾っていきたいと思っています。

前編「離婚しなかったのは《邪魔くさく》なったから。でも夫は40年間言わなかった『ありがとう』を言うように」はこちら