暴力行為につながる顔その1「攻撃を目論んでいる顔」

一つは、「攻撃を目論んでいる顔」と呼ばれています。

その表情の特徴は、「眉が中央に寄りながら引き下げられる+上まぶたが引き上げられる+まぶたに力が入れられる+唇が上下からプレスされる+(下唇が引き上げられる)」です。これは先の画像Aの人物の表情です。

したがって、先の問題の正解はAということになります。

この表情は端的に、「怒りを押し殺した表情」と言い換えることもできます。私たちが感情を押し殺そうとするとき、口の周りに力を入れることが様々な研究からわかっています。

暴力意図のある人物は、怒りの感情を沸々と煮えたぎらせています。しかし、それが表情として全面に表れてしまうと、暴力を実行する前に周囲に危険を察知されてしまい、目標を達成することができません。したがって、怒りを押し殺そうとする。

しかし、その抑制しきれない怒りが、微表情として一瞬だけ表情に表れたり、ときには数秒間にわたって表情に表れたりするのです。

この表情が表れている人は、

・誰かを攻撃する計画を練っている
・攻撃のタイミングを見計らっている
・攻撃目標が現れるのを待っている
・攻撃目標が気を抜くのを待っている

こうした意図を持っていると考えられています。

つまり、数秒後あるいは数日後以降(計画や憎悪の程度によります)に、何らかの暴力行為を意図している可能性が高いということです。暴力を振るう直前の人物や爆弾を仕掛けようとしていたテロリストの顔、重火器を持って学校を襲撃する数時間前の犯人の顔などに、この表情が浮かんでいたことが観察されています。