『野菜たっぷりおでん』(撮影:木村拓)
『婦人公論』(3月号)の料理連載「お料理歳時記」では、「ごちそう煮込み料理」を特集! 材料をオーブン調理可能な鍋に入れ、一度コンロで煮立てるだけ。あとはオーブンにほったらかしておけば、おもてなしにもぴったりな煮込み料理の完成です。手間ナシ・失敗ナシ・プロ級においしいメニューを上島亜紀さんが紹介します(撮影=木村拓 スタイリング・構成=関澤真紀子)

忙しいときこそ、オーブンで煮込んでほしい

普段から煮込み料理はよく作りますが、今回いろいろなメニューを作ってみて、改めて「煮込み、好きだなあ」と実感しました。

煮込み料理は「難しい」「面倒」と思われがちですが、具材の下ごしらえさえ済めば、あとは鍋と火と時間任せ。火にかけたら特別に手を加えなくても、待つ間に鍋の中で素材の旨味が渾然一体となって、おいしいごちそうが完成します。

さらに、「じっくりコトコト」の工程にオーブンを利用すれば、つきっきりで様子を見る必要も、焦げつきや煮崩れの心配もなく、ほとんどほったらかし。その間、副菜作りや別の家事をすることができます。就寝前に鍋をオーブンにかけておけば、翌日帰宅してからの夕飯の支度が断然ラクに。忙しい人ほどオーブンの活用をおすすめします。

コンロで煮込む場合の火加減は、弱火が鉄則です。焦げつきが心配でついつい混ぜてしまいがちですが、煮崩れの原因となるので触る回数は控えめに。

鍋は持ち手やつまみが樹脂製でなければおおむね大丈夫ですが、向いているのは厚手の鋳物ホーロー鍋や土鍋。持ち手の外せるフライパンでもOKです。蓋がなければ、アルミホイルをかぶせて。

地元と神奈川・三浦の農家から、隔週で月2回ずつ野菜が届く。スーパーでは見かけない野菜との出合いは楽しく、作り手とのやりとりから一番の《旬》を知ることができるので、料理の幅も広がるのだとか(右、今回のレシピを教えてくれる上島亜紀さん)