容姿をいじっていただきありがとうございました
テレビに出るようになってからも容姿いじりはあった。顔やスタイル。アイドルや女子アナとの比較。
いじられると、わたしは、本気で嫌がった。そうすると、
「青木は本気で嫌がってんの? まさか」
という空気を感じた。それだと本当にいじりづらい人になっちゃうよ、という空気も感じて、わたしは容姿いじりを受け入れた。わたしに対しての容姿いじりで笑いが起こるたびに、この笑いは共感なのだから、みんなそう思ってるんだな、とさらに傷ついた。
笑いが起こっている間、わたしは時が過ぎるのを待った。
収録が終わると、容姿をいじってくれた先輩のところへいき、
「(いじっていただいて)ありがとうございました」
と頭を下げた。
この先輩は、わたしをおいしくしてくれようとして、いじってくれた。本当にわたしの容姿がどうこう言っているわけじゃなくて、ただおいしくしてくれようとしているので、ありがとうございます、を伝えた。
いじめようと思ったわけでも嫌いだと思ったわけでもなくて。いや、むしろわたしのことは好きだろう。いじってくださるのだから。
厄介なのは、街でテレビで見たのと同じようにいじられたときだ。それはとても雑で、愛情なんて皆無に等しく感じられた。じっと黙っていると、「キレないんだ!」とはやしたてられる。
急いでその場を離れるけど、悲しいやら悔しいやら、笑ってやり過ごせない自分にあきれるやら、とにかくいろんな感情が入れ替わり立ち替わりやってきて一日が台無しになったりした。