良かれと思って飲んでいた漢方薬が肝臓疾患の原因

妊娠や出産を望んでいたからこそ、いいと思って飲み続けてきた臭くて不味すぎる漢方薬。私の友人はこれを飲み続けて高齢出産に成功したのに、どうして私はこれから1ヵ月も薬をストップしなければならないの? と、このときはまだ仙人のような老医師に傾倒し、肝臓疾患の名医の言葉を信じたくはない私がいました。

でも、「薬剤性肝炎」という診断に加え、同じような病気をしたテレビマンに聞いたところ、「僕の数値より酷いよ。よく立っていられるね」と言われ、言われたとおり漢方薬を飲むのを止めてみました。

1ヵ月後、肝臓の数値は正常値に戻っていました。医師も「ドラスティック」という言葉を使い、劇的な結果に驚くほどでした。

他の医師に言われたことですが、「山田さん、気づかずに飲み続けていたら、死んでいたかもしれないよ」と。この頃、中国産のダイエットに効く漢方でお亡くなりになった日本人女性についての報道が相次いだこともあってか、私の経験は取材を受け、女性週刊誌の記事になったほどでした。ダイエットではなかったのですが……。

その後、かなり悩んだ末、例の漢方医を紹介してくれた女性ライターに、事の顛末を伝えました。開口一番、彼女が言ったのは「それって医療ミスだよね。訴えたらいいよ」と。

私の身体に漢方が合うか合わないかの検査をせずに大量の薬を処方し、その後、血液検査などもせず、毎食前分の漢方薬を出し続けていたということが、彼女に言わせると「医療ミス」だと……。

とても複雑な気持ちになりました。私の半年以上を返してほしいとも思いました。もちろん、彼女は自分が成功したから勧めてくれたわけで、自分と薬との相性が悪かっただけかもしれない。彼女のせいではなかったのに……。

でも私は、その後、それと同じか、それ以上のことを友人にしてしまうのです。ありとあらゆる病院に通い続けていたお陰で、日本を代表する「名医」と言われる医師や、腹腔鏡手術に強い病院などに詳しくなっていた私には、不妊や婦人科系疾患に悩む知人女性の《駆け込み寺》のようになっていた時期が間違いなくありました。

(写真提供◎写真AC)