イラスト:小川かなこ
令和元年版高齢社会白書(全体版)によると、昭和55(1980)年に男性約19万人、女性約69万人だった65歳以上の一人暮らしの数は、平成27(2015)年には男性約192万人、女性約400万人と増加傾向にあるそうです。でもそうした孤独と引き換えに気ままな暮らしを手に入れ、人生を謳歌されている方も多いのも事実。65歳の植村初音さんの場合、ある「推し」への妄想がアンチエイジングになっているそうです

健康良好、平穏無事。〈先立つもの〉も心配なし

結婚歴もなく子どももいない私。13年前、同居していた父が逝ってからはひとり暮らしだ。年金受給も始まって、週4日のアルバイトをしつつ、それなりに充実した毎日を送っている。

親族は遠方で疎遠。あれほど「結婚、結婚」と騒いでいた人々もいつしか高齢となり、この世を去ってしまった。もはや私の心配をしてくれる者はいない。だからといって私が落ち込んだ暗い独居者かといえば、「否」である。

孤独といえば確かにそうだが、それは最初から想像できたことだし、ないものねだりは、老人といえども虫がよすぎる。私は存外小金を持っているので、万一の折は、それで解決できるはずだ。なるようにしかならない、これまで生きてきてそう実感している。

そんな私の楽しみは、「ワクワク、ウキウキで、身も心もアンチエイジング」だ。能天気と笑われそうだが、迫りくる老化は男女問わず大きな課題。逃れようのないこの宿命を嘆く前に、少しでもその現象を遠ざけて充実した老後を送っていきたい。

日々の暮らしは、「食事、運動、心の安定」が重要な柱だ。ひとりになった私は、毎日1万歩のウォーキングを心掛けた。食事も魚中心に野菜をたくさん摂取。すると、3ヵ月足らずで69キロの体重が56キロになり、スリムな美ボディに変身。高めだった血圧も安定し、体調は格段によくなった。

かくして私の独居生活は、健康良好、平穏無事である。