この作品の鍵を握るのはマリア
私はこのジョン卿を、今で言う「イケオジ」のイメージで作りました。
スーツも髪もすべての手入れをきちんとしている人だろうと思ったので、
髭もキッチリ感を出しました。
昔、私のジョン卿の写真を見た小学生の男の子に、
「髭生えてるの?」と聞かれたことがありました。
そのくらい自然だったようです。
嬉しかったです。ありがとう。
ジョン卿は、当主の妹のマリアに、31年7ヵ月と3日ずっと恋をしています。
ずっと好きだった私のマリア。
この作品の鍵を握るのは、実はマリアだと思っています。
当主のいないへアフォード家を守る厳格な女性であり、
「愛なんて必要ない」と信じるように生きてきたマリア。
でも彼女の本質はそうではないことをジョン卿は知っています。
ビルとサリーの深い愛を知り、マリアの心は揺らいでいきます。
そんなマリアの気持ちを全部包み込む大きさと、
ジョン卿らしさが表れる告白の場面を大事に演じました。
一番思い出に残っている大好きな場面です。
マリアの憧花ゆりのちゃんとのやり取りが楽しかったし、
彼女のお芝居がとても好きでした。
下級生の頃は、ビルとサリーのハッピーエンドに動かされた気持ちが、
今は、マリアとジョン卿の大人のロマンスに心を動かされ、
ジャッキーみたいな自分勝手でワガママな女はイヤだなと思っていた気持ちが、
時が経ち、ジョン卿を演じて、あれも可愛いやつだなと思うようになりました。
三度の再演で、私も大人になりました。(笑)
そんなこんなで、
同じ作品でもその時その時に感じる物が違うので、
「何度同じ作品に出ても飽きるなんてことは絶対にない!」
のです。
●日本テレビ「news every.」の「every.特集」にナレーターとして出演中
● NHK文化センター講座 4月2日(土)熊本教室 4月9日(土)千葉教室
4月23日(土)町田教室 4月24日(日)梅田教室
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