ヨガを人に伝えていくための学び

また東京の大手デパートには、お得意様向けの「友の会」で文化系の趣味講座が開催されていました。そこで「少し体を動かせる、横たわる床があるところでヨガを教えさせてください」と広める活動をしていきました。女性たちに伝えるにはそうした場所が良い、と閃いたのです。世の中を見て回っていた時、そうしたニーズがあることに気づいていたのだと思います。また以前経験した英語教材の販売を通じて学んだ営業のノウハウが生きました。どんなことでも無駄な経験など、一つもないのですね。

もともと体を動かすことは好きではない私ですが、やはり健康にいいから動かすわけです。ヨガを人に伝えていくために、私には常に学びが必要でした。生理学や解剖学、医学の知識も備えていなければなりません。体育学であり、アナウンサーのように伝達することでもあり、体の祈りであり、究極は悟るための教えであり、宗教であり、心理学であり―心と体と魂のすべてを学んでいかなければなりません。あらゆる能力が必要になる。私が最もわくわくする学びです。心と体が良くなり、平和が得られる安心できる教えがあります。

1983年、読売文化センター荻窪教室で、ヨガダンスを指導する相川さん(右から2番目)

今も私のところには「真のヨガや瞑想を習いたい」と多くの人がやって来ますが、なかには、さまざまな悩みや病気を抱えている人もいます。自分が弱いからヨガで鍛えたい、と。あるいは健康になりたい、きれいになりたいということです。

私はその人たちを少しでも楽にしてあげたいと考えます。単にポーズ(アーサナ)を教えるだけではなく、この箇所が痛いのならどんなヒーリングが必要か、それぞれ考えていくのです。骨格を整える。筋肉を整える。心はどうすればいいのか。またその人の人間関係、家庭環境、どういう生活をしているのかなどと、思考を巡らせます。

食べ物は、内臓はどうなのか、なぜここに症状が現れたか、何か心配があるのか、腎臓が悪いと恨みを抱えているとか、臓器と感情の関係はどうか。また手から治すのか足から治すのか、また人相はどうか、皮膚の色はどうか―。こうしたことを、「治す」ために多くの勉強をしていきました。これはまだ究極のサマディをする前の話ですが、周辺のヒーリングも色々と学んだのです。

※本稿は、『慈愛に生きる-ヒマラヤ大聖者 相川圭子自伝』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。