コロナ下のリモート読書会。感染拡大にともない、「通い」の仲間も含めてオンラインで行った

価値観の合う人と「友だち近居」スタート

私たちは兵庫県尼崎市のこぢんまりしたマンションに住んでいる。当初の仲間は60~70代の7人で、うち4人が長い高齢期を豊かに過ごしたいと、08年秋にここに引っ越してきた。同居ではなく、各自がそれぞれ購入した部屋を持つ。

当時、1人は東京で高齢の母親と暮らし、すぐには引っ越してこられなかった。あとの2人は、マンションと同じ私鉄沿線の近くに自宅があった。

「通い」も含めたゆるやかな「友だち近居」の始まりである。

グループの名前は「個個セブン」に決めた。一人ひとりの考えを大切にする7人、との思いが込められている。

入居して1年後の9月から、毎月1回、マンションの一室で「土曜サロン」と名づけたささやかな会費制の集いを開いている。

縁あって住むことになったこの地に根づき、地元の人との輪を広げたいと願ってのことだ。

音楽・芸能、政治・経済、老後問題、食やファッション……。ジャンルを絞らずテーマと講師を選んで講座を開催。

数年後には、地元の常連参加者たちが講師の候補を紹介してくれるようになった。「尼崎は城下町。焼き物の窯がありますよ」「能の女性のシテ方がいます」。

土曜サロンは117回を数え、心待ちにしてくれる参加者も増えている。