おひとりさまに必要な3つの備え

近くに頼れる親族がいる2人を除き、早速3人で勉強会をした。

講師は以前、土曜サロンで成年後見をテーマに語ってくれた弁護士、種谷有希子(たねたにあきこ)さんだ。

◎認知症などで判断力が衰えたときのため、あらかじめ後見人を決めておく「任意後見契約」
◎遺体の引き取りから葬儀、さらに死後の片付けの一切を任せる「死後事務委任契約」
◎遺産などの行き先を記した「遺言書」

この3つがあれば、おひとりさまでも安心だと知った。

私には娘がいるが、海外で暮らしているので緊急時には間に合わない。

「笑ってできるうちに」と、私を含めた3人がそれぞれ種谷さんと契約を交わして、公正証書にしておいた。

若い友人が毎年送ってくれるスイカを前に、笑顔で。ひとり暮らしでは食べきれないため、みんなで割って食べるのが夏の楽しみのひとつ

種谷さんは同業の夫と3人の子どもを育てながら、老いた祖父母を自宅に引き取り介護した。高齢者や障がい者の支援をライフワークに、何人もの後見人をつとめている。私たちには打ってつけの人である。

4年前に結んでおいた契約が、さっそく生きた。家族がいない認知症の友のため家庭裁判所に願い出て、正式に任意後見人のサポートが始まった。