最後の1人には…。将来にも目配せしつつ、いまを大切に

これからは仲間が1人、また1人と減っていく。最後の1人になりたくないな。

口には出さないけれど、誰もがそんな思いを秘めているはずだ。

十数年前、私は「人とかかわって生きる」という選択をした。

よく知らない者同士、当然、ささいな争いや行き違いもある。心が弱りそうになったとき、私は近居と同時に冷蔵庫に貼りつけた、塔和子さんの詩「胸の泉に」を読み返す。

人とかかわる豊かさは、わずらわしさや淋しさ込みの豊かさであり、それを味わうことこそ人生の醍醐味だと教えてくれる。

先のことを気に病んでも仕方がない。選んだ道を歩き続ける。

私たちはこれまでも知恵を出し合い、一つひとつ乗り越えてきた。いま、このときを大切に。それを積み重ねていくだけだ。