何歳になっても、「これが今の私です」と、堂々と

この歳になってつくづく思うのは、生きるというのは、やはり大変だ、ということ。苦しいことがあるのが人生なんだと、最近は割り切れるようになりました。「あの時あんなことがあったけれど、自分にも非があった」と、いろいろ反省できるのが50代。

「私の人生がこうなったのは、私自身がこう歩んできたからだ」と、得心もいく。「こんなはずではなかった」という思いから解放され、すべて自分が選択した結果なのだと思えるのです。そのうえで、「今こうして元気で仕事ができるのだから幸せだ」と心から思えます。人生って楽しいな、と。

老いに関しても、「受け入れる」とか「抗う」とか、そういう考え自体が無意味ではないかと思っています。何歳になっても、「これが今の私です」と、堂々としていればいいのではないでしょうか。

今の私は、「歳をとって何が悪いの?」「シミができて何が悪いの?」と思っています。「20歳や25歳の時の自分は、確かに肌はつるつるだったかもしれないけれど、中身は空っぽだったじゃないの」。そう自分に言いたいですね。

たぶんあと数年で、私の髪の毛は真っ白になるでしょう。そうなってからシャネルスーツを着たらかっこいいかも、と今から楽しみにしています。私が局アナだった頃は、みんな背伸びしてブランドものを身に着けようとしていた時代でした。でも、けっして着こなせていたとは思えません。人生の経験を積んでから着てこそ、ピッタリくるのではないでしょうか。

それから、またニュース原稿を読む仕事がしたい。欧米では年配の女性アナウンサーもいますが、日本ではほとんどいません。でも年齢を重ねてきたからこそ感じることもあるし、社会問題に対して、若い人とはまた違った受け取り方や問題提起の仕方もあるはず。リスタートを切った今、これからの人生が楽しみで、ワクワクしています。