いろんな人から「パパ」と呼ばれる現象
舞台袖の懐かしい感覚と、舞台の匂いに鳥肌が立つほど感動し、
仲間との再会と『エリザベート』の世界との再会に一瞬にして時が戻る感覚がありましたが、
現役とは違う不思議な感情も生まれ、
でも、やっぱり舞台の上は気持ちいいなぁと、やっと自分を取り戻した気がしました。
そして、昨年四度目の「エリザベートガラコンサート」に出演させていただきました。
私が初めて観た宝塚初演から25年の月日が流れていました。
歴代のキャストを中心としたガラコンサートの、出演者の豪華なこと!
この時もシシィのパパでした。
マックスという役名があるのに、現役時代もOGになってからも、
エリザベートのパパ役は、いろんな人から「パパ」と呼ばれます。
越乃でも、リュウでもなく、
あなたのパパではないのに「パパ」。
しかし、かわいい娘達に「パパみたいになりたい」と言われ、
パパは幸せでした。
コロナ過で舞台に立てる奇跡と、お客様からの拍手の温かさを改めて感じた舞台は、
また忘れられない公演となりました。
誰でもふとした時に蘇る思い出があると思います。
私は『エリザベート』の音楽を聴いたとき、
いろんな想いが蘇ります。
いろいろな時を経て、様々な想いを乗せて、
ただ好きなだけだった作品が、たくさんの事を教えてくれたり、気付かせてくれたり。
そして今日も相変わらず、エリザベートのナンバーのなかで
高音の出ない「私だけに」の曲を口ずさんでいます。
歌うのは、男役なのに必ずシシィの歌です。
これだけ歌っていたらいつか高音が出るのではないかと
密かに期待しながら。
●日本テレビ「news every.」の「every.特集」にナレーターとして出演中
● NHK文化センター講座 4月23日(土)町田教室
4月24日(日)梅田教室
●越乃リュウオフィシャルサイト (ryu-koshino.com)