自分の人生を第一に考えて選択して

老人ホームの入居を検討するなら、ぜひ本人を連れて見学に行きましょう。私は仕事柄、多くの施設を視察していますが、今は特養やケアハウスでも、新しくてきれいなところがたくさんあります。特養などは、同じ地域であれば料金体系も同じなので、見学の際はできるだけ明るくきれいな施設に連れていくことをおすすめします。

高齢者のなかには施設に暗いイメージを持つ方もいますが、実際に自分の目で見ると、「ここなら入りたい」と入居に前向きになる方もそれなりにいるんですよ。

なお、「死後離婚」というのは造語です。法的には「姻族関係終了届」を役所に提出すれば、配偶者の親族との縁が切れます。これによって配偶者の親を扶養する義務も消滅。ただ相談者の場合、先ほど述べたように金銭的な線引きをしておけば、縁を切る必要はないと思います。

また、義理の親と同じお墓に入りたくないからと死後離婚を考える方もいますが、そもそも婚家の墓に入るという法的義務はないので、別の墓に入ることは可能です。

ちなみに、もし姻族関係終了届を提出したとしても、夫の遺族年金は変わらず受け取ることができます。夫の親とはいえ、自分の人生を第一に考えて選択することは、決して罪深いことではないのです。