画:平野ノラ

そこで私がやったのは、「第2次片づけ期」ともいうべき片づけでした。以前片づけをして、暗黒時代を抜けていたから、その効果にはすでに自信がありました。

早速、部屋にモノを全部出して、自分に必要なモノと必要でないモノを整理していくと……。「あれ? こんなにモノ、あったっけ。すごいあるじゃん……」と気づきました。と同時に、このキャラで通らなかったから、今度はこのキャラで行こう、あっちがダメならこっちのネタでと保険をかけていた自分の深層心理に気づいたのです。 不安だからと保険のつもりで持っていた武器が、実はさらなる不安を呼び寄せていたのでした。

モノを整理していく中で、私に足りないモノがはっきりと見えました。バブル芸で売れるという覚悟でした。そして「私の一番の武器はバブリーキャラ。これ一本で行くんだ」と腹に落ちた瞬間でした。だからバブリーキャラと心中するつもりでそれ以外の衣装と小道具は全部処分しました。そして覚悟が自信へと変わり始めた頃から、仕事が次々と舞い込むようになったのです。

翌年の36歳、ついにバブリーネタで、平野ノラが芸人として世間に知っていただけるようになりました。赤いスーツに身を包んで携帯電話を持ち「しもしも~!?」「OKバブリー!」と言いながら、まさにバブっていきました。

『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。 1日15分のノラ式実践法』(平野ノラ・著/KADOKAWA)