夜の過ごし方を見直して

睡眠は次の日の活力を得るためにも、健康寿命を維持するためにもとても重要。睡眠の質を高めるには、眠りたい時間帯にしっかりとメラトニンの分泌量が増えるような生活を習慣づけることが大切、と村井先生は話します。

「メラトニンは、朝の目覚めとともに体内時計からの信号で分泌が減少します。14~16時間後に再び分泌がはじまり、その作用によって、体の深部体温が下がることで、眠気がもたらされるのです」

こうしたメラトニンの分泌は、主に光によって調節されており、強い光にさらされると分泌が妨げられてしまうそう。

「パソコンやスマホからは強いブルーライトが発せられるので、寝る直前までこうした機器を眺めている人は、寝る1時間前にはやめましょう」

快眠を得るためには、夜の食事と入浴の時刻をしっかりスケジュールすることも重要、と村井先生。

「胃に食べ物が入っていると眠りが浅くなるので、食事は寝る3時間前には済ませるのが理想的。また、体温が高いままだと眠れません。体温は入浴後1時間後ぐらいから下がりはじめますから、寝る1~2時間前には済ませたいですね」

とはいえ、仕事や家事などに追われていると、つい夕食や入浴が遅くなり、結果、寝る時間もずれ込んでしまうもの。

「睡眠リズムを整えるには、毎日、同じ時刻に寝床に入り、同じ時刻に起きるのが基本です。これがバラバラという人は、まずは起床時刻だけでも同じにすることから心がけてみましょう。1~2日実践しただけではあまり意味がありません。2週間ぐらい続けることで、徐々に睡眠リズムが整ってきます」