いつも労いの言葉をかけてくれた
出演者を決めているのは坂上さんではないものの、私のキャラクターや、私が言いそうなことをすべて把握してくれていた坂上さんとの本番は、「やりやすかった」というのが最大の感想でした。私がバラエティの放送作家であることも知ってくれていた坂上さんは、他の専門家よりも「笑いをわかっている」と思われていたのでしょう。番組中、私がオチに使われたことも一度や二度ではありません。
でも、出番が終われば、「山田さん、ありがとうございました」と大きな声で労ってくださる。これはスタジオの下手(しもて=向かって左側)に座る専門家全員に坂上さんがしてくれることでした。
一度、坂上さんがある男性の専門家に対し、本番中、厳しい意見を言ったことがありました。性被害に遭った女性アイドルのニュースで、当該アイドルにインタビューをしたことがあるという男性が、どういうわけかニヤニヤしながら意見を述べていたのです。すると坂上さんは、「こういう話を笑いながらしないでもらえますか」と叱責。後半、その専門家が、なんともやりにくい感じになったのは言うまでもありません。
そのコーナーが終わり、男性専門家が席を立ち、控室に戻ろうとしたときでした。坂上さんはダッシュでその専門家を追いかけていき、名前を呼び、笑顔で「ありがとうございました」と謝意を伝えたのです。
恐らくネットでは、その専門家に対する坂上さんの物言いが叩かれていたと思います。それが「パワハラ」と書かれることもネットでは毎日のようにありました。
ネットニュースや週刊誌の記事になったことも数え切れないほど。それを知る火曜レギュラーのヒロミさんは、坂上さんを心配しつつ、「お前は(ネットを)見ないほうがいい」と笑っていました。
冒頭の坂上さんの言葉は、番組中、エゴサーチそのものが話題になるときや、ネットの反応が取沙汰されたときなどに度々発せられたものです。