エベレストは雄大で、神々しかった

トレッキングというと牧歌的なイメージを抱くかもしれませんが、これがなかなかに大変で。富士山が標高3776メートルなのに対し、カラパタールは標高5545メートル。もちろん体力が必要ですし、何より高山病との闘いがあります。

そこで約1年間を準備期間にあてることになりました。週に3日のトレーニングを行いつつ、高度順応のために富士山にも2回登って本番に臨むことに。

それでも標高4000メートルを超えると高山病に襲われ、一気に最悪な二日酔い状態。

エベレスト街道をトレッキング(写真提供:唯川さん)

さまざまなハプニングに見舞われながらも、なんとか標高4910メートルのロブチェまでは辿り着いたのですが、カラパタールまで登ることは断念せざるをえなくなってしまったのです。来た道を少し戻って標高を下げ、目的地をナンガゾンピークという山に変更しました。

エベレストをカラパタールから望むことはできませんでしたが、途中で宿泊した「ホテル・エベレスト・ビュー」からの眺めは素晴らしかったです。目の前にそびえたつエベレストは雄大で、神々しくて。あれから約6年経った今でも鮮やかな記憶として心に残っています。