1980年の真打ち昇進時、鈴本演芸場での披露口上。左から林家彦六(当時:林家正蔵)師匠・立川談志師匠・小朝さん・林家三平師匠・春風亭柳朝師匠(写真:春風亭小朝さん提供)

僕の第二の転機

で、次の年の春に上野の本牧亭で独演会をやることにしたんです。ここは畳敷きの昔風の寄席で、席が指定できないから前売りができない。

落語雑誌と当時の『ぴあ』にちょっと載せたくらいで、当日、どうかなぁと思って行ってみたら、長い行列ができている。これは何だろうと思ったら僕の会だったんですね。

本牧亭の一番の記録って、山田五十鈴先生が浮世節の名人、の舞台衣装をつけて『たぬき』の三味線を弾いたときなんだそうですが、それとどっこいだったそうなんです。それが、2回3回4回とお客さんの入りが落ちなかったんで、ちょっと自信をつけて。

だから、本牧亭から真打ちにつながるあたりが僕の第二の転機ですよね。

<後編につづく