練習時間を増やす以外にするべきこと

強化ポイントの見直し、戦術の練り直し、対戦相手の分析、試合前の準備の仕方、練習の質の向上など、取り組めることはたくさんあります。練習時間を増やせば疲労が溜まりケガのリスクが高まりますし、練習中の集中力が低下することも考えられます。

『子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教えつ本当に効く練習方法』(著:中野ジェームズ修一/中公新書ラクレ)

学生の本業は勉学ですから、練習があるから勉強ができないなんてことになったら本末転倒です。いわゆる根性論的な方法ではなく、より効果的なものを効率良く行うことを目指すという姿勢が大切です。

たとえば青山学院大学は、2022年1月に箱根駅伝の王座を、大会記録を更新して奪還しました。では、前年度と比べて選手たちの休日が減ったのかといえば、そんなことはありません。オリンピックを目指すレベルのトップアスリートでも休みは必要です。十分な休養がなければ、コンディションは低下し、結果として練習の質を下げてしまいます。

練習時間を増やせば、顧問の先生の負担も大きくなってしまいます。勝つために優先するべきことは、練習時間を増やすことではなく、練習内容の見直しなのです。

練習内容をどうすればいいのかというのは、競技によって違いますし、私は競技指導の専門家ではないので、具体的なことはいえないのですが、ヒントになりそうな話をいくつかお伝えできたらと思います。