正しい休養日の重要性
指導者の方であればご存知かもしれませんが、スポーツ庁が発表している「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(義務教育である中学校段階の運動部活動が主な対象)の中には、「適切な休養日等の設定」という項目があるので、参考のために引用しておきます。
運動部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、運動、食事、休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう、スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間に関する研究も踏まえ、以下を基準とする。
・学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える)。
・長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、運動部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
・1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
練習時間に関することで、朝練は有効かという質問を受けることがあります。朝に練習をすることが競技レベルの向上に良い、悪いということはありません。
夕方の練習を減らして朝練習をすることで勉強の時間が確保できる、朝ならばフルコートで練習ができる(夕方はほかの部活動と重なる)といったメリットがあるのならば、導入を検討する価値があるでしょう。
練習時間を増やしても勝てるわけではない、休養も重要、学生の本業は勉学。これは、忘れないようにしてください。
※本稿は、『子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法』(著:中野ジェームズ修一/中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
『子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法』(著:中野ジェームズ修一/中公新書ラクレ)
「そのトレーニング、子どもたちには危険です。」
皆さんは、部活動でどんな練習をしていますか? もしくは子どもの頃、どんな練習をしていたでしょうか。水分補給の禁止やウサギ跳びなど、今では考えられないようなことをしてきた人もいるでしょう。現在ではだいぶ変化してきたものの、世界のアスリートたちをサポートしてきた著者からみると、まだまだ改善すべき点が多く、学生たちの話を聞く度、驚愕することが多いと言います。本書は、フィジカルトレーナーとして青学駅伝部を優勝に導いた立役者の一人である著者が、勝つためのトレーニングやケアの仕方を教えるもの。「全員で同じ練習をこなすのは無理がある」「アキレス腱のばしの準備体操には意味が無い」「負けた試合を振り返るのは逆効果」など、熟知しているからこその目から鱗の情報も満載です。
今まさに部活動に勤しんでいる若者たちはもちろん、親や家族、コーチ、教育関係者など、成長をサポートする人たちも必読の1冊。日頃のトレーニングを効率良くする方法を知るのにも、役立ちます。
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