ウォーミングアップでけが防止とパフォーマンス向上を(イラスト提供:イラストAC)

ストレッチで大切なポイントは呼吸

肩甲骨回しや股関節回しなどの動的ストレッチのポイントは、リズミカルに体を動かし、少し汗をかいたなと思うぐらい、何度も繰り返すこと。各部位3、4回では不十分で、最低でも20回を目安に行ってください。

トップアスリートたちは、ウォーミングアップの際、動的ストレッチに30~60分は時間をかけています。それだけ、ケガを予防し練習や試合で高いパフォーマンスを発揮するには、動的ストレッチが有効だということです。

ストレッチでは呼吸もとても重要です。静的ストレッチでは息を吐きながら筋肉を伸ばしていき、静止してゆっくりと呼吸を続けますが、動的ストレッチでは、体の動きに合わせて自然な呼吸を繰り返します。

ストレッチ中に呼吸を止めてしまう傾向のある人がいますが、息を吸うことではなく、吐くことに意識を集中してみましょう。体を動かしながらリズム良く息を吐けば、自然に吸うことができるようになります。

また、静的ストレッチの場合は伸ばしている筋肉を意識することが大切ですが、動的ストレッチの場合は伸びている筋肉と反対側の収縮している筋肉も意識すると、ウォーミングアップがより効果的なものになります。

たとえば、膝の曲げ伸ばしのような動作をするとしましょう。膝を曲げるときには太ももの裏側にあるハムストリングスが収縮し、表側にある大腿四頭筋が伸びます。反対に膝を伸ばすときには大腿四頭筋が収縮し、ハムストリングスが伸びます。常にこの両方の筋肉を意識すると良いということです。