準備運動で意識するべき3つのポイント
まず、心臓ですが、ウォーミングアップで段階的に心拍数を上げることで、激しい運動をするための準備ができます。ウォーミングアップをせずに、ダッシュなどの激しい運動を急に行うと、心臓に負担がかかるだけでなく、心肺機能の準備が不十分なため、体が動かしづらい、すぐに息が上がってしまうということが起こります。
次に筋肉。ウォーミングアップで筋肉を少しずつ動かしていくと、筋肉に流れる血液の量が増え、体の内部温度が高まります。筋肉への血流が増えると、酸素や体を動かすためのエネルギー源が筋肉に運ばれ、運動するための準備が整っていきます。そして、筋温が上昇すると筋肉の粘性が低下し、筋肉の動きがスムーズになっていきます。
筋肉の粘性が高い状態で激しく動くと、筋線維を傷つけるおそれがあり、肉離れなどのケガの発生率も高くなります。筋肉系のトラブルが多いという人は、ウォーミングアップが不足している可能性もあるので、ウォーミングアップを見直してみましょう。
骨と骨を繋ぐ連結部である関節は、関節包という袋状の組織に覆われています。関節包の中には、関節の動きをスムーズにする潤滑油にあたる滑液というものがあるのですが、この滑液が不十分だと関節の動きが鈍いので、体はスムーズに動いてくれませんし、ケガのリスクが高い状態とも言えます。
ウォーミングアップで関節を少しずつ動かしていくと、刺激を受けた筋肉の温度の上昇とともに、滑液の分泌が促進されます。すると、それまで粘度が高くドロドロとしていた関節包内の滑液がサラサラになり、関節の動きがスムーズになります。