5 近代の変遷
道後湯之町初代町長・伊佐庭(いさにわ)如矢(ゆきや)が老朽化した道後温泉の改築に取り組み、棟梁には城大工の坂本又八郎を起用し、幾多の困難を乗り越えて明治27年に「百年の計」の願いを込めた木造三層楼の近代和風建築「道後温泉本館」を完成させた。また、明治32年には日本で唯一の皇室専用の浴室「又新殿(ゆうしんでん)」も竣工した。
現在もなお現役の共同浴場として使用され、平成6年には、共同浴場としては初めて国の「重要文化財」の指定を受けた。
【道後温泉 DATA】
[泉質]アルカリ性単純温泉[pH]9・0[湯の色]無色透明[温度]平均47℃
[主な効能]筋肉もしくは関節の慢性的な痛み、またはこわばり(関節リウマチ、五十肩、打撲、捻挫、腰痛などの慢性期)、冷え症、痔の傷み、胃腸機能の低下、疲労回復、不眠症など
[共同浴場]道後温泉本館、道後温泉別館 飛鳥乃湯泉、道後温泉 椿の湯
[問合せ先]道後温泉旅館協同組合 TEL089 - 943 - 8342
[所在地]愛媛県松山市道後湯之町
[アクセス]JR予讃線松山駅より伊予鉄道市内線またはバスで20 ~25分。松山自動車道松山ICより20分
※本稿は、『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(中央新書ラクレ)の一部を再編集したものです。