4 文学作品・文学碑

● 大弐三位(だいにのさんみ)(後拾遺和歌集)

「有間山ゐなの篠原(ささはら)かぜ吹けばいでそよ人を忘れやはする」

「いでそよ人を忘れやはする」は「そよ(そうよ、そうですよ)、どうしてあなたのことを忘れたりするものですか」の意。

大弐三位は紫式部の娘で、この歌は小倉百人一首にも選ばれている名歌である。歌碑がある瑞宝寺公園は紅葉の名所で、太閤秀吉が「いくら見ても飽きることはない」と褒め称えたことから、「日暮らしの庭」とも呼ばれ、園内には秀吉が愛用したといわれる石の碁盤も残っている。

瑞宝寺公園にある太閤秀吉が愛用したといわれる石の碁盤(中央の四角の石)

● 藤原俊成(五社百首)

「有馬山雲間も見えぬ五月雨にいで湯の末も水まさりけり」

 

● 与謝野晶子

「花吹雪兵衛の坊も御所坊も 目におかずして空に渦巻く」

 

● 司馬遼太郎『妬(うわなり)の湯』