2月4日、テレビ東京では『行ってよかった温泉BEST100』を放送。伊豆の下田温泉などもランクイン。温泉療法専門医の佐々木政一さんの記事を再配信します。

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2021年には、大分県別府市と九州大学の実証研究で、「温泉には特定の病気のリスクを下げる効果がある」と発表された。温泉入浴で腸内細菌が変化し、免疫力にいい影響を与えるというものだ。温泉の本質を知り、より効果的に入浴すれば、効果もUP!? 
また、旅に出られなくても、温泉の豆知識を得ることで、湯けむりに思を馳せ、癒しを感じることも…。消化器外科医・温泉療法専門医であり、海外も含め200カ所以上の温泉を巡ってきた著者が勧める、温泉の世界。安心して、どっぷりと浸かってみてください。
※本記事は『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(佐々木政一、中央新書ラクレ)の解説を再構成しています

前回「日本三古湯、道後、有馬、白浜温泉。聖徳太子が病気療養のために滞在した道後温泉は、約3000年の歴史の日本の温泉で最も古い」はこちら

〈日本三古湯〉有馬温泉(兵庫県)

1 温泉発見の由来・伝説

温泉神社の縁起によるとその開湯は遠く神話の時代まで遡り、大己貴命(おおなむちのみこと)(大国主命)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二神が有馬を訪れた時、3羽の傷ついたカラスが水たまりで水浴びをしていた。

ところが、数日でその傷が癒え、その水たまりが温泉であったと伝えている。

温泉のありかを教えてくれたこの3羽のカラスだけが有馬に住むことを許され「有馬の三羽ガラス」と呼ばれるようになった。

温泉寺近くの「有馬の工房」入り口右側の小さな池の周りには、三羽ガラスの像が飾られている。

有馬の工房の入り口右側、小さな池の周囲に飾られた有馬の三羽ガラス