そろそろ旅に出たい季節。また、旅に出られなくても、温泉の豆知識を得ることで、湯けむりに思を馳せ、癒しを感じることも…。消化器外科医・温泉療法専門医であり、海外も含め200カ所以上の温泉を巡ってきた著者が勧める、温泉の世界。安心して、どっぷりと浸かってみてください。今回は、パンダの町として有名な和歌山・白浜温泉です。
※本記事は『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(佐々木政一、中央新書ラクレ)の解説を再構成しています
※本記事は『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』(佐々木政一、中央新書ラクレ)の解説を再構成しています
〈日本三古湯〉白浜温泉(和歌山県)
1 温泉発見の由来・伝説
発見時期、発見由来は不詳であるが、歴史上の記録で白浜温泉が現れてくるのは、斉明3年(657)、『日本書紀』での有間皇子(ありまのみこ)の入湯が初めてである。したがって少なくともこれ以前から温泉が存在していたことは確かである。
『日本書紀』や『万葉集』『続日本紀』では「牟婁の温湯(ゆ)」「紀の温湯(ゆ)」と呼ばれており、現在の白浜温泉「崎の湯」である。