4 文学作品・文学碑
● 真白良媛(ましららひめ)像
白浜の湯崎広場には有間皇子の死を知らずに待ち続けた、ホンカクジヒガイを抱いた「真白良媛像」が建ち、その台座に「万葉秘話」と題し以下の文が刻まれている。
「岩代の 浜松が枝(え)を 引き結び まさきくあらば また帰り見む 有間皇子
真白良媛は肌の白い美しい乙女だった。斉明天皇が牟婁のいで湯に行幸のとき、有間皇子は謀反の罪に問われて誅せられたが、真白良媛はそのことも知らずに皇子を思いつつ、いつまでも待ち続けていたという。白浜の海にのみ産するホンカクジヒガイという真白く艶やかな貝は媛の悲恋をいまもなおしのばせるものがある」
● 高浜虚子
(1)「白濱の牡丹(ぼたん)ざくらに名残(なごり)あり」
(2)「温泉のとはにあふれて春尽きず」
● 山口誓子
「炎天に清流熱き湯なれども」
●斎藤茂吉
「ふる國の磯のいで湯にたづさはり夏の日の海に落ちゆくを見つ」