6月号の書は「この世はすべて 正負の法則」です
「いいこと」と「悪いこと」は等しくある
人はとかく、他人をうらやんだり、妬んだりするものです。「あの人は裕福でうらやましい」「容姿に恵まれて得をしている」「地位も経済力もある夫がいて幸せだ」などなど。
でも、私は、世の中には「正負の法則」が働いていると考えます。人には「いいこと」と「悪いこと」が等量ずつ与えられている。ですから、一見恵まれている人も、きっと見えないところで苦しみや不幸を抱えているはずです。
妬みやひがみというのは人間的な感情なので、なかなか逃れられないものです。また、人に理不尽なことをされたら恨みたくもなるでしょう。かくいう私も、若い頃は感情にまかせ、喧嘩を売られたら2倍返しどころか10倍返しすることも。まぁ、鼻っ柱の強い人間でした。
他人に対するネガティブな思いは、「感情」や「情念」の所産です。また、不安や困難に遭遇した際にいちばん邪魔になるのも、感情です。感情的になると精神がやせてしまい、正しい判断ができなくなります。ですから感情的になりそうなときは、意識的に感情を追い払って、「理性」や「理知」を働かせることが大切です。
意地悪をされたら、相手がなぜそういう行動をするのかを考えてみる。すると、その人が抱えている問題に気づき、「あの人も気の毒だし、放っておきましょう」と思えるかもしれません。
また、自分が人をうらやむのはなぜか。家族関係や経済、健康の不安など、原因を理性的に分析し、どう解決すべきかを冷静に考えましょう。きっとそのうち、道が見えてきます。
●今月の書「この世はすべて 正負の法則」