「万物に命があります。そして私たちは、それらすべての命によって生かされているのです」(撮影=鍋島徳恭)
現在発売中の『婦人公論』12月28日・1月4日合併特大号の表紙は歌手の美輪明宏さんです。コロナの影響もあって、家で過ごしたり近所を散歩したりする時間が増えたという美輪さん。庭の木々や道端の植物の季節の変化から自然の理を感じて――。発売中の『婦人公論』から記事を掲載します。(撮影=鍋島徳恭 構成=篠藤ゆり)

色の持つ力を味方に

色にはそれぞれ異なる力があり、人に力を与えてくれることもあれば、その逆もあります。たとえばグレーは墓石の色ですし、こげ茶色は朽ち果てていく色。そういった暗い色は、なるべく身に着けないようにしています。

1年ぶりに『婦人公論』の表紙を飾った今回は、白いドレスに赤のショールをまといました。ジュエリーの色も合わせています。

赤は活力の色。結婚式やさまざまな祝い事に紅白の色が用いられるのも、そのためです。新年に向けて皆さまにエネルギーをお分けしたいと思って選びました。

グラビアページでは緑のショールとジュエリーにチェンジ。緑も縁起のいい色です。植物を思い浮かべる方が多いことでしょう。

春には木の芽が吹き、野は若草色に。やがて萌黄色になり、さわやかな新緑の季節を迎えます。そして夏になると、深く力強い緑色に移り変わる。緑色は、「命」や「成長」を象徴する色と言えます。