縁起のよい打ち掛けは手元に残して
たとえスペースをとったとしても、そばに置いておきたいものもあります。それは家族ゆかりの品々です。
たとえば篠田との結婚式に着た打ち掛け。花嫁衣装はスタイリストの方に貰っていただいたのですが、打ち掛けだけは残しました。私の後に6人の女性が結婚式で着てくださって、今も皆夫婦円満に過ごしているという縁起のよさが自慢です。
娘との思い出も。断捨離をしていたら、小学生の娘と交わした手紙の束が出てきたのです。当時、仕事が一番忙しくてね。朝から晩まで撮影で、幼い娘と言葉も交わせない日々が続いていました。女優を続けたいという自分の思いが娘を寂しい気持ちにさせている……。なんとかコミュニケーションをとりたくて編み出したのが、家の廊下にポストを置いて、娘と文通をすることでした。
「おしごとがんばってね」と娘が書けば、「今度の運動会は必ず行くからね」と私が返す。可愛い文字で綴られた文面を読み返していたら、涙が出てきてね。これだけは捨てられないと、大事にとってあります。
それから、篠田からのラブレター。これも全部出てきました。一通だけ彼に見せたら、「若い頃は情熱的だったね」なんて笑ってましたけれど。(笑)
リフォームからもうすぐ3年。モノは増えていないと言いたいところですけど、少し増えているかしら? 一つ増えたら一つ減らすよう心がける一方、欲しいものがあればついつい手が伸びてしまいます。
その時はクローゼットにギュギュッと詰めて仲間入りさせてしまうことも。何事もこうしなければと思うのは窮屈なので、断捨離もその時の気持ちに合わせて臨機応変にと考えています。