私たち夫婦も人生の節目を迎えています。私は現在69歳、夫は昨年70歳になりました。以前から「共同の事務所はどちらかが70歳になったら閉じよう」と決めていて、まさに昨年がその時だったわけですが、幸い娘夫婦が引き継いでくれることになって。今はフリーランスのような気分で、身軽に仕事をしています。
よく夫婦の間で片づけに関する意見が合わず、捨てる・捨てないで揉めるという話を聞きますが、わが家は夫も私も絵描きで、感性が似ているせいでしょうか。「これ、イヤだね。気持ち悪いよね」と感じるポイントが一緒なので、揉めることが少ないのです。それはすごくラッキーだったと思っています。
断捨離を経験したことで、自分にとって思い入れのあるモノや大切なモノと、そうでないモノがはっきりしました。高価なブランド品でも不要だと思うモノもあれば、孫が描いてくれた絵のように毎日眺めたいモノもあります。
本もそうですよね。一度読んだだけで人に譲れるモノもあれば、何度引っ越しても「これだけは手放せない」と思うモノもある。価値観は人それぞれだとしみじみ思います。
モノを捨てることについては、「これまで十分楽しませてもらった」と感謝して処分すればいいのだと考えるようになりました。そして大事なモノはしまい込まず、出して使う。または目につくところに飾って愛でる。
身の回りにあるのは選りすぐったお気に入りばかり。好きなモノに囲まれた暮らしは本当に快適です。これらからも今の容量を保ちながら、楽しく暮らしていきたいと思っています。