子育てに不寛容な社会のおかしさ

マミコのように、肩身の狭い思いをしている子持ちの人はきっと多い。

マミコは麻理鈴に、たまに、この人生自分が主役なのかなって思うことがある。子どもは愛しているが、次の人生があったら子どものいる人生を選ばないと思う、とこぼすシーンがある。

私は子どもはいないのだが、マミコの本音はわかる部分がある。

昔よりは女性が結婚しても働くことは増えたけれど、現実子育ての負担は女性に集中している。出産を機に仕事を辞めたり、働き方を変えざるをえなくなるのもやはり女性だ。

どんなにきれいごとをいっても、24時間体制で見守らなければならない子どもの世話を誰かが負担しなければならない。

育休制度が改善されたとはいえ、実際まだまだ現実に適応していない。

育休や産休をとった人の分の仕事を任される人がSNSで恨み節を吐露しているのをよく見るし、子持ちと子無しの女性同士の分断が垣間見えることもある。

不妊治療で休んだり、育休産休をとったりすることが、なぜか特権を享受しているような扱いを受けていて、その人は周囲に申し訳ないと思って当然で、それ以上何かを求めるのは贅沢だ、なんていう風潮が、残念ながら今はそこらにある。

子育てをする人で、周りに迷惑をかけている、と自分を責めてしまう人は多い。
でもそんな思いにさせているのは、あまりにも子育てに不寛容なこの社会なのではないか、と思うことがある。

(写真提供◎写真AC)

麻理鈴はマミコに言う。

「何でいつも謝るんですか。子育てしてるだけなのに。お子さんを育てている人は、やりたいことを我慢するなんてなんか変ですよ」と。

この言葉には、子どもはいない私も大きくうなずいた。

そうだ、子どもを育てている人が謝り続けないといけないなんておかしい。

仕事のやりがいを、キャリアを諦めないといけないなんて、おかしい。