マミコという登場人物が育児中の友人と重なった

毎回、働く人が直面するであろう会社の理不尽とたたかい、周囲に影響を与えていく主人公の痛快なストーリーが繰り広げられるのだが、中でも第8話は印象的だった。

8話では、専務に目を付けられてしまった麻理鈴が備品管理課に異動させられてしまうのだが、そこに企画開発部から、間宮マミコ(桜井ユキ)がやってくる。自ら部署異動を申し出たという。

しかし実は、マミコは2人の子どもがいて、育休産休をとったのちに時短勤務をする中で、陰で戦力外とささやかれ、煙たがられ、居づらくなったことが原因の異動だったことがわかる。マミコの夫は出張が多い人らしく、保育園の送り迎えなどに追われながら忙しい日々を送っている。

(写真提供◎写真AC)

印象的なのが、マミコが常に周囲に謝っていること。保育園のお迎えが遅れては謝り、仕事を早く切り上げるため退勤時も常に謝り、保育園からの呼び出しがあったときも会社を抜けるために頭を下げる。さらに、仕事の連絡のため、子どもといるときにスマホを見ていると、知らない人から子どもといるときはスマホばかり見るのは良くない、と言われてしまう。その時もマミコは「すみません」と謝るのだった。

その姿が、小さな子どもを持つ友人と重なった。

友人とその子どもと出かけたことがある。ベビーカーで外に出ると、ただ街を歩くだけでも一苦労だ。歩ける子どもだったら売り物を触ったり、走り出すこともある。

友人は何かにつけてとにかく周囲に気を遣い謝り続けていた。一緒にいる間に何十回、友人が「すみません」と周囲に謝るのを見たことだろう。

もっと図々しくてもいいのに……とはたからは思うけれど、きっと彼女親子にきつく当たる人が過去にいたのだろう。