麻理鈴は絶対に諦めない、屈しない
オウミは、表向きには男女平等を掲げながらも、実際は管理職は男性ばかりの超男社会。
そんな会社を象徴するようなキャラクターが次々に登場する。中でも印象的なのが次のふたり。
人事部の夏目聡子(石田ひかり)は、男性しか出世できない会社で生き残るため、プライベートを犠牲にして仕事に人生を捧げている。飲み会でも酒を絶対に断らない、など男性社会に過剰に迎合しているマッチョな社員。
一方で女性社員をいびるため、陰で「女王蜂症候群」と言われ恐れられている。
企画開発部の小野忠(鈴木伸之)は、女は出世とか考えなくていいから楽、という考えの持ち主で、男尊女卑を絵に描いたような社員。麻理鈴が入社式で粗相をしたとき、心の中で「男女平等なんていうからこんな変な女が入ってくるんだ。コイツを入れるなら優秀な男一人いれられただろ」なんて言ってしまうような人。麻理鈴を入れたプロジェクトでも、女は感情的で困る、と女性社員をチームから外し、トラブルになる。
既存の価値観に囚われず、同調圧力なんて全く意に介さない麻理鈴は、開拓者である宿命かな、最初は摩擦をおこし、いじめられたり、反発を受けてしまう。
しかし、彼女は絶対に諦めない、屈しない。そして、相手を否定するのではなく、まずは対話をする。そして関わるうちに自然と自分の意見を受け入れられるよう促していく。
超強烈なザ・昭和体質の夏目や小野も麻理鈴と接していくうちに、気付けば麻理鈴と仲良くなり、麻理鈴を助けてくれる側になっていく。
そしてあまりの実直さに、周囲の人も麻理鈴を認めざるをえなくなるのである。