前方左から三宅藤九郎さん、和泉元彌さん、和泉節子さん、和泉淳子さん。後方左から、長女采明さん、長男元聖さん、和泉淳子さん長男和秀さん、長女慶子さん(写真提供:和泉家宗家・以下全て)
狂言の歴史は600年。半世紀、50年前に女性狂言師・和泉淳子が誕生した。娘を狂言師として舞台に立たせた十九世紀宗家・和泉元秀氏が亡くなってからは、太陽のように和泉一家を照らし支えてきた和泉節子さんが今年80歳を迎える。和泉元彌さん、羽野晶紀さんの長女・采明(あやめ)さん、和泉淳子さん長女の慶子(きょうこ)さんも20歳を迎え、いよいよ大人の狂言師としての歩みをスタートさせた。コロナ禍でも狂言の灯を絶やさないために活動を続けてきた和泉一家の近況と、これからの抱負を、長女・和泉淳子さんに寄稿いただいた。

「つなぐ心は80・50・20!」

私の家は言わずと知れた狂言一家である。

どれくらい知られているかは別として、
母は狂言の舞台には立たないが、私よりも名が通っていると思う。

伝統芸能の家で、特に能狂言の世界で親子三代と言えば、ふつう祖父、父、子の男三代を想像されるであろうが、今回は女三代なのである。

題して「祝・和泉流宗家の女三代80・50・20!」。

この数字、「8050」と言えば、自宅に引きこもる50代の子どもを80代の親が面倒を見る社会問題だ。また、歯医者さんの「8020運動〜自分の歯を大切に〜」にも似ているが、数字がちと多過ぎるし、「七五三」という可愛らしい数字でもない。

お気付きかも知れないが、まず80は、6月でめでたく満80歳となった和泉流宗家・宗家会理事長の和泉節子。おかげ様で傘寿である。本人は70代中盤までは、「永遠の38歳でございます!」と自己紹介のたびに言っていた。さばを読むどころの話でない。

今年、弟にあたるニ十世宗家和泉元彌が4周り目の年男であるから、38歳だとそれよりも、10歳年下になってしまう。まぁ、精神年齢や心持ちでいくとそれくらいと本人が思っているのであれば、仕方がない。