手元資金の管理方法は慎重に

帰省のたびに親族が消耗品や食料などを買って渡したとしても、医療費やおやつ、小遣いなど、どうしても日常的な本人の手元資金が必要になる場合があります。認知症が軽度の場合は、本人が現金を管理してレシートを保存し、親族が帰省のたびに記帳することも可能です。

しかし、認知症が進行すれば、現金の管理も難しくなります。そうなると頼れるのは介護事業者ですが、介護事業者が利用者の現金を預かるのは違反です。しかし、事業者が利用者の現金を預かっていないか、抜き打ち検査をするなど、厳格な運営をしている区市町村もあれば、それが違反だということを事業者に徹底させていないところも。地域によってその対応はまちまちです。

また何にいくら使ったのか教えずに「お金がもう1万円しかありません。送ってください」とだけ親族にメールを送ってくる事業者もいました。一方で、利用者の自宅に金庫を置いてもらって、支出のたびにレシートと残金の画像をメールで送ってくるほか、カテゴリー別にレシートを分けてくれるという事業者もあります。

やむを得ず、合意のもとに介護事業者に現金の管理を依頼するときは、しっかり話し合いましょう。